(思い出の続き)
長く暇な夏も終わり、瀬戸の山々も秋色に変わりそうになるころ。
そろそろ仕込みの準備が始まる。先輩に言われるままに洗物を片付ける日々が続く。
洗物をしながら始めて見る道具を見て、何に使うのか想像し気持ちが高ぶる。
かなり年季の入った道具ばかりでどう見ても手造りの物まであり壊さないよう丁寧にきれいに洗い熱湯に浸してすすぐ。
酒づくりの道具は異様に重い物が多いので腰の弱い私は足を使って腰を守りながら持たなくてはいけない。
きれいになった道具たちを竹で作った台に整頓しながらなれべていき終了。
大きな機械も丁寧に洗い有るべきところに収めていく。
タンクのホーローがはがれているところは補修する。
床を流し終えると蔵の中が静かに蔵人たちを待つ。
蔵に吹き込む風が冷たくなってくる。荒川
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