(思い出の続き)
昼からは明日の仕込みの準備や洗物に取り掛かる。
午前中の忙しさ、慌しさにに比べれは幾分楽だが洗物の水が冷たい。
今の蔵と違ってお湯なんか出てきてくれない上、刺すように冷たい水が出る。
この時点で辞めたくなってきてしまった。
明日は6時に来てクンナイと言われ、精神的にも疲れきった体で一時間半運転して帰るのであった。
一週間のお試し期間だったが、私にはお試し期間ではなくここしかなかったのでお試し期間でクビにならぬよう一生懸命働いたのを覚えている。
その時は、一週間で十分お酒造りの大変さ、難しさが解ったと思っていたが今考えるとまだまだだった。
過酷な労働条件で仕事をしているとやはり仲間意識が出てくるし実際ここで働いている人たちは、癖が有るにしても気の良い人が多かった気がする。
さあ!私も春から仲間に入れてもらおうと思いつつ正月を過ごすのであった。荒川(続く)
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