現在吟醸工房では山廃酒母が順調に経過しています。
山廃というと、酒母の初期段階で硝酸還元菌という微生物が発酵をします。
中期に乳酸菌が発酵を行い。後期になって酵母が発酵を開始します。
初期の硝酸還元菌は水に含まれていて、亜硝酸という物質を造ります。
その物質ができたかどうかを試薬で確認すると写真の様に真っ赤にアピールしてきます。
真っ赤になれば一安心、赤飯を食べてお祝い!はしないけれど、うれしい。
この亜硝酸と乳酸菌によってできた乳酸によってお酒に不必要な微生物をやっつけます。
工業的に乳酸が造れなかった昔は、みんなこの山廃酒母でした。正当な山廃酒母は、速醸酒母の3倍く
らい手間がかかる。
微生物の存在そのものを知らない時代にこのような複雑な仕組みを編み出した日本人はすばらしい。
現在主流の速醸酒母は技術の進歩によって造られた乳酸そのものを添加します。そして酸性に保ち
余計な微生物をやっつけます。これはこれですばらしい考えである。
山廃酒母の味の乗り、速醸酒母の端麗さ、ご自由にチョイスしてね。
吟醸工房の山廃造りは、トンネルで3年は寝かして、お披露目したいので、去年造ったのが出てくるが2年後の予定です。お楽しみに。荒川
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