演者

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蓬莱泉では、和醸良酒を掲げている。和を持って造れば良い酒が出来る、という意味だ。
醸造業界では良く聞く言葉なので、それは良く分かる。醸造業界だけでなくチームで仕事をする人たちにとって当たり前のことである。
しかし、どうやれば和が出来るのか明確に説明された事がないし、精神論を言われてもピンとこない。ゆえにやり方が解らない。
「仲良くしなさいよー」といくら言われたって他人同士、大の大人が「はい」とは行かない。

だから自分なりに考えてみました。
私たちは、良い酒を造るという明確な目的がある。それで私は、会社から杜氏を任された。
だから私は人として偉いのではない。私はただ杜氏を演じているだけである(演じられているかどうかは別として)。他の職人たちはそれぞれの仕事を演じる。
私は吟醸工房製造の中で一番年下で人間的にも未熟である。私の指示を聞いてくれるということは、職人たちはしっかり役割を演じられているということである。

私は職人たちに遠慮はしない。そのように演じなければならない。作業中は、お互い馴れ合わず、真剣に仕事をしているのだからぶつかることもある。だけど演じているだけだから、たとえ意見が合わなかったとしてもその人間を憎んだり嫌いになったりはしない。

現に仕事を離れれば私の良き先輩であり、心も許せる。写真の笑顔は演技ではない。
私は職人たちに尊敬されているはずだし、私も職人たちを尊敬している。

曖昧で説明が難しいが、これが今、思う和醸良酒だと思う。だから良いお酒ができる。
・・違うかな。こういう話はつまらない?荒川

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このページは、ginjohkoubouが2006年1月 6日 21:09に書いたブログ記事です。

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