それは減反です。
政府米が余ってきたため、減反を強硬に進めようと
補助金を無くすぞ、とか、直接支払い制度を減額するぞ、とか
政府系金融機関からの融資を繰り上げ返済させるぞ(…失笑)
とかいろいろ脅しを掛けていますが…
…たぶん効果は無いでしょう。
何故って、
減反によって得られる補助金より
減反に協力しないで得られる収入の方が
はるかに多いからです。
だって、米を作るモチベーションとなる
米価そのものを維持しているのが
日本政府だからです。
分かりやすく言えば、今の農政は
アクセルとブレーキを両方踏んでいる状態です。
一番簡単な米の需要と供給のバランスをとる方法は
少なくとも米に関しては、不要な補助金や
価格維持政策、農地拡大政策を全て止め
自由競争に晒すことです。
供給だぶついて、
需要と供給に見合った価格まで米価が下がり
農家にとって米を作ることが割に合わなくなれば、
自然と生産量が減る。それだけのことです。
あるいは消費者が、
小麦などが高騰することでパンの価格が上がり
家計が苦しくなって、安い米を食べるようになれば、
需要が増え、これまたバランスが取れます。
世界的には、自国内への供給を確保するために
米の輸出を禁止したり、高い関税を掛ける国が増えていて
米価はむしろ上がっています。
昔は約10倍近い開きがあった米の取引価格も
日本が下がって、海外が上がっているために
今は1.2~1.3倍程度の価格差になっています。
むしろこれこそ品質の高い日本の米を
外国に売っていく絶好の機会だと、
何故考えないのでしょうか?
消費者と手を結び、高く上手に売る農家と
(国内・国外に関わらず)
政府に買い上げてもらわなければ困ってしまう農家
どちらも同じように減反するのは愚の骨頂です。
農作物に補助金を投入することに
反対する人もいるようですが、
私は農業を保護することに基本的に賛成です。
ムダなダムや道路に使う金があったら
よっぽど農業に回すべきだと考えます。
(ただしそれが某農業組織の既得権になってはいけませんが)
自国の自給率を高くすることは、
自国を守ることにも繋がるからです。
実際かつては日本より自給率が低かった
イギリスやフランスも、自国の農産物を保護することで
自給率を上げる努力をしています。
最近聞いた試算によると将来日本の自給率は
最悪の場合12%(カロリーベース)まで
下がるという予想をしたシンクタンクもあるそうです。
これは、もし何か国際紛争などが起こって
日本への食糧の輸出が止まったときに
89%の国民は飢える、と言うことです。
恐ろしいことです。
減反などという小手先の方法でなく
作物ごとにバランス良く自給率を上げるために
品目別の自給率の高い作物(例えば米)は保護せずに、
自給率を上げたい品目(小麦、大豆など)だけ
保護(買い上げ補助)をするという方法だってあります。
普段は高品質・高級農作物として
海外に売って、自国では安い農産物を
消費しておいても、自国が困ったときには
国内用に切り替える方法もあります。
考えればもっといろいろなアイデアは出てきます。
そろそろ本気で農業を考えませんか?
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