ダムはムダ!?

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昨日設楽ダムに関する勉強会に参加してきました。

今、関谷醸造がある設楽町はダムの建設問題に揺れています。
地元の問題として無関心ではいけないと思い、
最近はいろいろな勉強会や、説明会には
出来るだけ参加しようとしています。

そんな中で話を聞くにつれ
どうもこの「設楽ダム」は地元にとっても下流の人達にとっても
必要が無いものであるということが分かってきました。

はじめは、下流の人達が水不足で困っているなら
誰かが犠牲にならないといけない、という気持ちもありました
ダムを作るその代償として、地域振興策や活性化策を
何かしてくれるだろうという気持ちもありましたが、
現実はそんなに甘いものではなかったようです。

まず「下流の市町村で水が不足している」ということですが、
実際には全く不足していません。
ダムが最初に計画された30年以上前には、
高度経済成長がそのまま続き、
どんどん工場も出来て、住民もどんどん増え
農業もいろいろな作物を作るために、
どれだけ水を使っても足らないからダムが必要。
…という夢物語で計画されたのでしょうが(笑)
現実にはそんな事はありませんし、
平成13年度に終了した豊川総合用水事業によって
水不足はほぼ解消されています。

次に肝心の地域振興策ですが、
中身を見ても呆れるだけ、箱モノのオンパレード(笑)
笑ってしまうのは、水没する道路の付け替えや、
沈む公民館などの施設の立て替えも、一部町の負担で行うこと、
これってどう考えてもおかしいですよね。

そんな「振興策」のために204億の町の自己負担が発生する。
ちなみにこれは設楽町の年間予算54億の4倍に相当します。
一体、どこからこのお金が出てくるのでしょうか?
…あまり考えたくありません(笑)

何より嫌なのが、折角の清流が汚れ、
豊かな自然が失われることです。
地域の豊かな自然や風土に育まれてきた酒蔵にとって
美しい自然や山、清流が失われるのを
黙って見過ごすことはできません。

また蔵の仕込み水は湧水を使っていますが、
その場所はダム建設予定地の目と鼻の先です。
水質悪化が懸念されたため、工事事務所に確認を求めましたが、
その事についても何の調査もせず、回答もありませんでした。

また、呆れてしまうのはダム建設に伴う
環境アセスメントもきちんとされておらず、
この流域にしか居ない絶滅危惧種もたくさんいるというのに
その対策が何もされてないことです。

これはどう贔屓目に見ても、設楽ダムに「大儀」は無いと思います。
「計画しちゃったから作らなきゃいけない」典型的な例です。

時代は変わります。
その時期その時期で、状況も変わります。
これだけ環境や自然を守ることが叫ばれている中
その存在意義を失ったダム建設をごり押しするのは、
「役人のエゴ」と「滑稽」以外の何者でもありません。


…と言うわけで社長とも協議しましたが、
今後、個人としても、関谷醸造としても
設楽ダム建設に反対することにします(笑)

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先日貴社で量り売りの大吟醸を頂いたものです。
大変香りがよく、久々においしいと言えるお酒に巡り会えた気がしました。本当にありがとうございます。

私は豊川の河口部に住んでいますが、この川にダムが出来てしまったらと思うとぞっとしています。

この川は、現在でも昔に比べ流量が少ないので、三河湾に注ぎ込んでもかつてのように汚れた水を押し流す力を失っています。
その結果、三河湾は赤潮や苦潮が発生するとても汚れた海になってしまいました。
もちろん川の影響だけではないと思うのですが、とても澄んで美しい上流に比べ、河口部や三河湾の汚れを見ると本当にそう思えてなりません。

環境保護団体が環境アセスメントに対して出した質問状でも、新城より下流は関係ないような回答があったみたいですし。何でなんでしょうね?昔から「海を育てるには山を育てよ」みたいなことも言われているのに・・・

我が家の近所の海では、潮干狩りを楽しむこともできるのですが、これ以上汚れが進んだらそれすら出来なくなってしまうかも。
魚だって減るでしょうし、釣りも楽しめなくなってしまうかもしれません。

お金が無い無いって言っているのに、無理して税金をつぎ込んで欲しく無いです。
ということで、上流で影響力のある関谷醸造さんにはぜひがんばっていただきたいです。

>下流住民さん

仰るとおり
実は「山の問題」は、海までつながっている問題です。

三河湾は日本でも有数のあさりの産地らしいですが、
このところ漁獲量が減っているようです。

原因がそれだけでは無いかも知れませんが、
豊川上流の宇連川にある宇連ダムとの因果関係が
全くないとは思えませんし、
その上、設楽ダムを作る場合、環境面での調査を
綿密にしないと、三河湾であさりが全く採れない
という事態を招きかねません。

とても恐いことです。

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このページは、sekiyaが2007年12月28日 12:28に書いたブログ記事です。

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