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2006年02月28日
出品酒の滓引き
いつの間にか2月も最後になってしまいました。
2月は逃げる(「に」げる)とはよく言ったものです^^;;;
今日は小雨が降るなか
吟醸工房で蒸留作業をしていました。
途中、ふと冷蔵庫に入ってみると
精米と濾過担当の森下さんが
何やらゴソゴソやっていました。
先日出品用に袋取りした斗壜の滓(おり)引きでした。
搾ったお酒は、酵母や米の小さな粒子が
濾布を通過してしまうため
多かれ少なかれ滓が含まれて濁っています。
それを冷やして静置しておくと底部に滓が沈みます。
サイホンの原理を利用して
細い管で上澄みを別の容器を移しながら、
滓と澄んだ酒を分けるのですが、
根気と丁寧さが求められる作業です。
たぶんそそっかしくて短気な私では
滓を舞い上げて終わりでしょう^^;;;
職権乱用(笑)で味をみせてもらいましたが、
とてもクリアな透明感のある味わいで、香りも有り
流石出品酒といった感じでした。
鑑評会が終わって、もしもお酒が残ったら
少し稲武の販売所に置くかも知れませんが、
あまり期待せず(笑)にお待ち下さい。
2006年02月24日
酒税法改正
昨日まで酒造組合中央会の日青協(何とか青年協議会の略^^;;)
の会合で東京に行っていました。
そこで話題に出ていたのですが
今度の5月1日から酒税法が大きく変わります。
(ご存じの方も居るかと思いますが…)
清酒に関して変わったポイントは大きく2つ
①酒税額が度数に関係なく一律になった
②使用できる原料の定義が変わった
ということです。
①について、従来はある度数(15度)を基準に
1度増えると○○円増えるという
世界的に見ると混成酒(混ぜて造る酒)の税額体系だったのですが、
今後は、清酒であれば全て同じ金額になりました。
本来清酒は発酵によって造られるものであるため
発酵の具合によっては度数が多少上下する事があるはずです。
そのため果実酒(ワイン)は度数に関係なく○○円という税制でした。
ところが清酒は醸造酒であるにもかかわらず、
「度数が高ければ税金がたくさん取れる」的な考えにより
税額体系の上では混成酒や蒸留酒扱いでした。
それが、この度晴れて「醸造酒」としての名実ともに認められた事になります。
また②は大きな変化として
・原料として認められていた雑穀類が使えなくなった。
・副原料(醸造アルコール、糖類、調味料など)が
白米の1/2(重量)しか使えなくなった。
という2点です。
雑穀は実質使っていた酒造メーカーは全国に無かったので
まったく関係は無いのですが、
副原料の使用限度が少なくなったのは影響が大きいかも知れません。
非常に恥ずかしい事なのですが、
ご存じのように清酒業界には三倍増醸酒(三増酒)というものがあります。
従来白米と同量まで副原料(いわゆる混ぜ物)が可能で
普通に純米酒を造る量に比べると3倍の酒が出来たため三増酒なのですが、
今度の新税制では計算上では1.6増酒程度、
考えに考えて(笑)入れられる限り入れても2増酒が限界となります。
…というかこんなもの当たり前です^^;;;
3倍になると言うことは本物部分:ニセモノ部分=1:2です。
割合からするとニセモノ部分のほうが多いのに
いかにも本物の顔して市場で売られるのは
真面目に酒造りをしているメーカーからすれば大迷惑です。
もっと厳しくしても良いと思いますが、
清酒(日本酒)が世界に認められるための大きな一歩です。
これから清酒(日本酒)はもっと世界に広がっていくと思います。
そのためにはもっと厳格な制度により、お客さん(消費者)が
安心かつ安全に清酒を飲むことが出来ることが必須条件だと思います。
そのためにも中央会の役員の方や自民党のセンセイ方、
所轄官庁の財務省官僚の皆さんには
もっと頑張っていただきたいと思います(笑)
2006年02月20日
トリノオリンピック
連日のトリノオリンピック観戦で
やや寝不足気味です。
うちでは衛星放送が見られないので、
アルペン競技などが放送されず、
悔しい思いをしていますが、
映ってしまったら寝不足どころでは
済まない可能性があるので、
これで良いのかも知れません^^;;;
それにしてもなかなかメダルに手が届きません。
…が、選手の皆さんには
そんなことよりオリンピックを楽しんで来てもらいたいです^^;;;
変なプレッシャーの中で堅くなって競技するより
各自が楽しく伸び伸びとプレーすれば、
運次第でメダルは付いてくると思います。
TVを見ていると
「ワールドカップで表彰台に乗ったから
オリンピックでもメダルが取れるはずだ!」的な
事を言っているアナウンサーがいますが、
オリンピック1回に対してワールドカップが
何回あると思っているんでしょうか?(笑)
勝負は時の運、楽しく観戦しましょう^^
頑張れニッポン!
※関谷醸造はオフィシャルスポンサーではありません(笑)
それはそうと、今日は朝から雨、
12月に大雪が降るかと思えば、
2月に雨が降ったりと変な天気で困ってしまいます。
この雨の中、
稲武での仕込み作業と蒸留作業に行ってきました。
このところ申告書や届け出の作成など
デスクワークが多かったため、
やや体がなまり気味でしたが、
やはり現場での作業は楽しくて良いです。
2006年02月15日
サッカー教室
昨日まで東京に居ましたが、
とても暖かかったです。
こちらに戻ってきても暖かく、
まるで春のような陽気です。
今日の午前中は、
貯まった書類は、心を鬼にして放置し(笑)
保育園での出張サッカー教室を手伝って来ました。
その中に自分トコの子も含まれているので、
教えるのがなかなか照れくさいものがありましたが、
ドリブルシュートをしたり、ミニゲームをしたりと
みんな元気に頑張っていました。
これで来年小学生になる子達が
我が設楽FCのジュニアチームに入ってくれれば、
影の目的であった「営業」は達成したコトになります(笑)
…もちろん午後からは貯まった仕事を前に
ため息をついています。
2006年02月11日
吟醸酒協会蔵見学会 その2
翌日は前日とうってかわって良い天気
造船で有名な佐世保から平戸大橋を渡って
すぐのところにあるホテルに泊まった一行は早朝
平戸市(島全体が「市」らしい)の反対側(先端)にあるという
福田酒造に向かう…
…遠い
島って言うんですぐだと思ったらバスで1時間半
こんな大きいと思っていませんでした^^;;;
昨日の疲れ(原因は宴会か?)でついつい
うとうととしてしまい。目覚めたところは…
…漁港?
の目の前に福田酒造さんはありました。
日本に1500以上の蔵があると言っても
目の前が漁港ってのはあんまり無いんじゃないでしょうか(笑)
ここは何と元禄元年創業(1688年)
って事は2006から1688引いて…、えーっと?、318年!!!
うちの倍以上ですね。参りました^^;;;
さすがに歴史のある蔵だけあって
昨日の天山酒造さんに負けず劣らず
趣があります。
しかしここの仕込み場は足場が狭くて怖かったです。
ここで櫂入れはちょっとイヤかも^^;;;;
歴史があるだけあって
酒造りの博物館も併設されています。
見たことも無い道具もありました。
その一つがコレ大昔の蒸留機(蒸留器?)だそうです。
最近試しに使ってみたそうですが(驚!)、
普通の蒸留機の半分以下しか出来なかったそうです。
こんなモノよく試してみましたね(笑)
ということで見学ツアーも無事終わりました。
見学させて戴いた、天山酒造さん福田酒造さん
ありがとうございました。
…ところで今回の旅で
過去行ってない県がいっきに2つも減り、
残り5県(高知、島根、沖縄、石川、和歌山)になりました。
「目指せ全国制覇の旅」はまだまだ続きます(笑)
2006年02月10日
そういえば…
ダンチュウの最新号の
カップの特集ページ「カップ酒エライぞ!」で
うちの「ほうらいせんカップ」が
掲載されています。
250円以下の部BEST1だそうです。
皆さん見て下さい。
…立ち読みはダメよ(笑)
吟醸酒協会蔵見学会 その1
2月8日~9日の2日間
日本吟醸酒協会の会員蔵見学会に行ってきました。
ことしは佐賀県の天山酒造株式会社(天山)と
長崎県の福田酒造(福鶴・長崎美人)の2蔵です。
今日はその1ということで
天山酒造さんの探訪記(?)です。
博多駅を降りると福岡は雪でした^^;;;
※最近こんなんばっかりです(笑)
そこから集合場所の空港に向かい、他のメンバーと集合。
天山酒造のある佐賀県の小城町までバスで向かいます。
やはりこちらも雪、しかも「ど」寒い…
九州と聞いて薄着で行ってしまった僕が馬鹿でした(泣)
知らなかったのですが
蔵のすぐ近くの山(天山)にスキー場もあるそうです。
…寒いわけです^^;;;;
知っていればスキーの板を持って行ったのに残念です(笑)
文化財の指定も受けている蔵で
木造のとても趣のある蔵でしたが、
随所に最新の装置も導入していました。
それから酒造りの道具や装置を自作したり
うまく工作して工夫しているところが良く見られました。
最後に清酒と焼酎の
利き酒もさせてもらいました。
水が硬水ということでやや辛めのしっかりしたタイプのお酒でした。
見学を終えた一行はこの後、
翌9日に見学をする福田酒造さんのある長崎県平戸に向かいます。
そこで我々を待ち受けていたのは…(つづく)
2006年02月04日
立春朝搾り
今日は日本名門酒会の「立春朝搾り」の日
朝も早くから近隣県の加盟店の方々が集まって下さいました。
天気は快晴ですが、朝の気温は何と-6℃!
寒いと言うより痛いです(泣)
この寒空の中、上槽(搾り)のスタッフは朝4時から
他のスタッフは6時に蔵に集合し、準備をします。
7時から参加者全員で開会のイベントを行います。
ここで今日唯一かも知れない大仕事「蔵元代表挨拶」があります(笑)
もちろんこの時間に集合ですから食事しているはずもないので、
朝食を…、と言いたいところですが、
その前にその準備でもう一働きしてもらいます。
ぺったんぺったんとお餅をつきます。
やはり餅はつきたてが最高です。
このあたりではつきたての柔らかい状態の餅を
鍋などの大きな容器に熱湯を張って、小さくちぎって浮かべ、
すくったお餅に大根おろし、醤油、鰹節、きな粉など
お好みの薬味に付けて食べる「水取り」が一般的な食べ方です。
朝食と並行して肩シールを貼る作業が続きます。
こちらは戦場のような状態です。
全部貼り終えたら神主さんに御祓いをして戴きます。
神主さんの隣で寝ているような人(笑)がいますが、
偶然目をつぶったところを撮られただけで
寝ているわけではありません。…たぶん^^;;;
御祓いを終えると「立春朝搾り」の積み込みです。
積み込みを終えた酒屋さんは、お客さんに届けるために
そそくさと駐車場を後にします。
昼過ぎにはお店に着くので、
十分今晩の晩酌に間に合います(笑)
2006年02月01日
最初の一滴
…を撮ろうと思っていましたが、
目を離した隙に1滴どころではなくなってしまいました(笑)
早いものでもう2月です。
1月は「い」く、2月は「に」げる、3月は「さ」る
といいますが本当ですね。
…で本題に戻ります^^;;;
上槽(お酒を搾る)時にはじめに垂れてくる部分を
「あらばしり」と言います。
この写真の部分です。
うまく撮れていないので分かりにくいですが、
やや白濁しています。
ここはすっきりとして軽い味わいです。
次に酒が澄んできます。
ここが一番メインの部分で「中取り」です。
最後に少し圧を上げて(空気圧で搾るため)
「せめ」の部分が出てきます。
色も濃く、味も多めです。
ここをしっかり搾ると酒の量が増えますが、
味は雑になって悪くなります。
昔うちに居た杜氏さんからの言いつけで
「もう1割搾れるところで止めておけ」という言葉があります。
きっちり搾れば3000㍑取れる場合でも、
2700㍑ぐらい取れた時点で止めよう、ということです。
そのくらいで止めておけば酒もキレイだし、
酒粕もしっとりして、良い酒粕になります。
これって酒造りじゃなくても聞いた話じゃありませんか?
何事も欲を掻きすぎると良くない…、
最近そんな事件がありましたね(笑)